はたらく・暮らす・整える

手帳術と仕事術、習慣のアップデートと、あれやこれやのレビューとか。

致死率が低いは安全?「割合」と「実数」を混同して判断してはいけない

新型コロナウイルスの致死率に関する報道が出ていました。

ここで間違っては行けないのが、致死率が低い=比較的安全と短絡的に結びつけてしまうこと。

何と比較しているか

高い・低い、あるいは大きい・小さいと言う場合、そこには必ず比較対象があります。

単独で高い・低い、大きい・小さいが絶対的なものはありません。

像が大きい、アリが小さいも比較対象があってのもので、多くは私たちヒトを基準にしてのものです。

上記の報道の場合、新型コロナウイルスの致死率をSARSの致死率と比較しています。

SARSの致死率は統計データによって多少の違いがありますが、おおよそ9%台。

患者の年齢や基礎疾患にもよりますが、感染者の約1割が死亡する病気と比較していることに。

要は、「高い」ものと比較して、「それよりは低い」と言っているだけなのです。

致死率はデータとしての事実ではあるかもしれませんが、それを安全と捉えるかどうかは「解釈」なので、客観的事実と主観が入る解釈を混同せずに、分けて理解する必要があります。

分母は何か

致死率の例で話を続けます。

「率」なので、そこには必ず「分母」と「分子」があります。

この例では、分子は亡くなられた方の実数。

では、分母は何か?

感染者の数となります。

ただし、あくまでも「確認できた」感染者の数です。

感染に気づかずに日常生活を送っている人が少なからずいることで感染拡大している現状からすると、実際の母数はもっと大きいと考えても不思議はありません。

分子である亡くなられた方の数も、あくまで「感染が確認されて」亡くなった人なので、ほかの要因による死亡として死亡診断された人もいるでしょう。

大元の発表では統計の前提を述べていますから、前提条件を抜きにした数字だけ切り取って、あまつさえ誇張することに意味は無いのです。

実数で見ると意味合いはどうなるか

致死率がSARSよりは低いとしても、実数ではどうでしょうか。

相対的に致死率が高いと言っているSARSの死者数をすでに上回っています。

これは、感染者の実数がSARSより多いからです。

つまり、致死率が低いのが事実だとしても、感染が広がる状況に変化が無い今、亡くなる人は実数としてまだまだ増えていくリスクが高いと言えます。

まとめ

感染による病気を例に上げましたが、「割合」と「実数」を混同して判断してはいけないことは、日常生活の中にもたくさんあります。

会議資料で、受注率とか障害発生率とかそういう「割合」による指標は少なくありません。

そこで、受注率が高いから販売は好調だよねとか、障害発生率が低いんだから生産の問題は無いと短絡的に言ってはいけないということ。

受注率が高くても、案件数という母数が小さければ注文の実数も小さくなります。

障害発生率が低くても、開発対象数が多ければ、実際に発生している障害実数は、問題無しと言い切れない影響を及ぼします。

「割合」だけの説明、あるいは資料があったら、それを出した当人が本質を理解していないか、実数の意味を誤魔化そうとした結果と考えて、本当のところを知ろうとする姿勢が欠かせません。