4月4冊目の本、『メモの魔力 -The Magic of Memos-』を読了したのでご紹介。
どんな本?
僕にとってメモとは、生き方そのものです。 メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。 メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。 メモによって夢を持ち、熱が生まれる。 その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。 誰にでもできるけど、誰もまだ、その魔力に気付いてない 「本当のメモの世界」へ、ようこそ
引用元:メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book) | 前田 裕二 |本 | 通販 | Amazon
ベストセラーとして話題になっていることはだいぶ前から知っていましたが、てっきりメモの書き方の細かなノウハウと、メモを書けば夢は叶う的なスピリチュアル要素の本だと勘違いして読まず嫌いでいました。
実際には、書き方としてのノウハウは最小限に絞られており、内容の大半を「ファクトをもとに」「抽象化した法則を見出し」「実際のアクションとしていかに転用するか」に割き、その理念を具体的方法論に落とし込んだ、むしろ骨太な本と言えます。
得られた気づき
- メモが書くだけでは役に立たないのは、振り返りを行っていないから。メモした「ファクト」を「抽象化」して、それを自分に「転用」してアクションとするところまで行って、初めてメモとしての価値が出てくる
- 「必要なこと」をメモするのではない。メモしたことから抽象化したこと、アクションに転用したことが、「結果的に必要なこと」となる
- 会話におけるメモの役割は「構造化」することで、話し手側も気づいていなかった情報や気づきを引き出すことにある
- 抽象化のベースは、「What/How/Why」の3つの問いを自分に投げかけること
- 抽象化は「意識する」だけでは行えず、そこには「自身の切羽詰った問題意識、すなわち転用すべき他の具体課題」が必要条件となる
どんな行動につなげるか
- OneNoteに記録している仕事ノートや自分メモを、「ファクト」→「グルーピングした標語」→「ファクトのサマリー」→「抽象化した要素」→「転用するアクション」の構成にする
- 打合せなど会話が主体の場においては、相手の話をメモすることで構造化・言語化することに注力する
- 「世の中でヒットしているもの」「自分の琴線に触れるもの」「顧客からの要望」「社内で起きている問題や課題」の4つにはWhyを向ける
- 「世の中でうまくいっているもの」や、「自分が素直にいいと感じるもの」を見たり聞いたりした時に、感想を「いいね」で終わらせずに、本質的要素をいくつか書き出して、抽象化を試みる
具体的行動としては、
- OneNoteに、「ファクト」→「グルーピングした標語」→「ファクトのサマリー」→「抽象化した要素」→「転用するアクション」のフォーマットを設ける
- 会議・打合せのメモは、「ファクト」→「グルーピングした標語」で構造化を図りつつ、言語化能力を鍛える
- 「解くべき課題の明確化」の手段として、課題・問題点を記した「イシューリスト」を携帯する
- 抽象化(分析)のトレーニングとして、気になったコト・モノについて、その理由をレトリックやアナロジーを使いながらTwitterに投稿する
- 言葉の引き出しを増やすため、気になったフレーズをGoogle Keepにどんどん突っ込んでいく
をやってみます。
こんな人に読んで欲しい
- メモはとっているけど、一時的な備忘録にとどまっている人
- メモに関する本をよく読むけど、その方法にしっくりきていない、あるいは「書き方ジプシー」になっている人
- 見たり聞いたりしたことをスルーせずに、事実をもとに何かしらの成果に向けたアクションを起こしたい人
- メモを書いても役に立たないと思っているけど、さほど成果も上げられていない人