『大きな効果は小さな行動の集まりと繰り返し。習慣スタッキングで「今日の習慣」をブラッシュアップ』で、日々の習慣化・仕組み化に「習慣スタッキング」というメソッドを取り入れることでブラッシュアップすることを今月の目標としていました。
前回は、「朝のルーティンスタック編」をご紹介しました。
今回は日中の仕事に関する習慣スタッキングとして、「生産性向上編」をご紹介していきます。
「習慣スタッキング」とは
「大きな効果」は「小さな行動」の集まりと繰り返しである。「運」もまたそのひとつ。
この事実を前提に、複数の小さな行動をセットにするのが「習慣スタッキング」という考え方で、「Develop Good Habits.com」というサイトを運営するS.J.スコットさんが提唱しているものです。
- 自分にとって重要な「小さな行動」を見つける
- 同じくらい重要な行動をセットにまとめる
- 毎日決まった時間(決まった場面)にそれらを実行する
- トリガーを使って、自分にスタックの実行を促す
- 面倒に感じないようひたすら簡単にする
が基本ルールです。
自分専用のスタックをつくる手順としては、
- 「今日の習慣(朝編/デイタイム編/夜編)を、「朝のルーティン」「生産性向上」「昼のパワーナップ」「夜の締めくくり」の4つのスタックで分類し直す
- スタック別のキーストーン習慣を中心に、サポート習慣としての小さな行動と、日々少しずつ取り組むマンモス習慣を追加・変更する
- その際、既存の習慣をトリガーとして組み込むことで、スタックを意識しなくても一連の行動として行えるよう、合理的な順番にする
の順に行うこととし、今回は「生産性向上のスタック」をつくってみたいと思います。
大きな効果は小さな行動の集まりと繰り返し。習慣スタッキングで「今日の習慣」をブラッシュアップ
今日の習慣[2019.02版(生産性向上スタック編)]
スマホの通知を視界の外に出して、誘惑を遠ざける
- 生産性向上の始まりは「時間密度」を上げることにあり、集中力を妨げるものを取り除くことから始める
- 無意識のうちに集中力を妨げる代表格がスマホ
- 特に、スマホの通知をきっかけに見始めてしまうと、集中力どころではなくなる
- これを回避するものとして、スマホの通知はバナー表示だけにして、サウンドオフにするのはもちろん、バイブも鳴らないようにする
- どうしても通知をチェックする必要があるものだけスマートウォッチで表示させるが、スマートウォッチで件名をちら見するだけに留める
仕事のゴールとタスクをリストアップしてから作業開始(1ゴール3MIT)
- その日やることと達成条件は、頭の中だけでイメージしないで、必ず「見える化」する
- その日に到達すべき「今日のゴール」を設定して、そのゴールに結びつくタスク=MIT(Most Important Task)とサブタスクに分類
- 実行したタスクはその都度消し込み、ゴールの達成条件(MIT)を満たしたら、もうその日の仕事は終了
- 赤ペンでチェックするという単純なことが、意外とモチベーションアップにつながる
- もう一つ大事なことが、その日の流れをシミュレーションすること
- これをやっておくだけで大体のことは想定の範囲内に収まるので、本当に突発的なことが起こったとしてもしっかりと対処できるようになる
仕事の始まりと終わりはクリーンデスクで
- 朝の仕事を開始する際に、デスク上に置くのはPC以外ではペンとその時取り掛かるひとつの仕事の資料だけ
- 今日中に行う仕事であっても、「今」行うもの以外は引き出しの中にしまい込むことで、視界に入らないようにする
- それは、「シングルタスク」に集中することで、脳のワーキングメモリーを無駄に消費しないため
- また、1日の仕事を終えて退社する際は、PC以外何も置かれていないクリーンデスクの状態とする
- クリーンデスクの状態にすることが、1日1日のタスク完了の達成感にもつながる
ポモドーロ・テクニックによる「集中」と「開放」のコントロール、時々流れ任せ
- リストにもとづきタスクを処理していくが、タスクが終わってからの休憩ではなく、決まった時間で作業と休憩を繰り返す
- 疲れてから休憩ではなく、疲れる前に休憩を入れる
- 午前~15時くらいまでは50分の作業と5分の休憩、夕方以降は休憩時間を10分に伸ばす
- ポモドーロ・テクニックで時間をブロック化しても本当に集中力が高いのはその一部なので、力を抜いて流れに任せつつ、集中力が「やってきた」タイミングを逃さずにそこからはダダダッと進めるようにしている
仕事を日次PDCAでまわす
- 上記の「ゴールとタスクをリストアップ」にもつながるが、毎日ノートに書き出している
- 左ページにはGoalとPlanを、右ページにはDoとCheck、Actionを書いている
- 左ページは朝一で書いて、DoとCheckは仕事を進めながらその都度、Actionは退勤時に会社を出る前に書くのが一連のサイクル
- 1日単位では本当に小さな気づきが、積み重なっていくといつの間にか大きな取り組みと成果に成長していたりする
かたまりの大きいタスクは分解して少しずつ手をつける
- タスクのかたまりとして大きいものは、砕いて動かせる大きさにする
- 目安としては、今すぐに手を動かせるレベル
- すぐに手を動かせるイメージがつかめないものは、頻繁に繰り返し観察することで、解決の視点が得られるようになる
- タスクは必ずひとつずつ行動する(=シングルタスク)として、実質的には効率を下げるマルチタスクにはしない
自動化できる作業を見つけることに時間をかける
- 自分が手をかけなくても良いことを見つける(引き算する)ことも、日々やるべきことに加える
- 「他の人に任せる or 社外のサービスに委託する」「自分の手元に置くけど、自動化することで手はかけない」に分類
- このうち後者について、まずは自分の知識・スキルでできそうなことを1日1つ探してみることから始める
- 手入力していたところに関数を使う、1箇所入力すればそれが他のところにも転記される、テンプレート化することで毎回の入力範囲を減らす、といった単純なもので良い
- 発見してつくった仕組みがわずか1分の労力を減らすだけでも、1週間・1ヶ月・1年と積み重ねると大きな違いになっていく
翌日の「2番めの仕事」に少しだけ手をつけてから帰る
- その日の仕事を終える時にポイントとしているのが、「キリのいいところで終えない」ということ
- 何事も「始める」時に一番多くのパワーを必要とするので、その日の最初に始めることを持ってくると、それだけでハードルが高くなってしまう
- ハードルを下げる仕組みとして、「仕掛中」の状態で翌日につなぐようにしている
- さらに、翌日の「2番めの仕事」に少しだけ手をつけておくことで、自然と隙間を埋めたくなる心理が働き、1番目の仕事をサッサと終えるように進められる効果が生まれる
まとめ
習慣スタッキングによる「今日の習慣」としての、良い習慣の連鎖を構築する試み。
今回は、「生産性向上スタック編」をご紹介しました。
いかに負荷を下げつつ、一方で成果を出せる仕組みにつなげていくか。
自分にとっての最適なバランスをとることが、スタックに入れるものの基準となります。
前回の「朝のルーティンスタック編」と今回の「生産性向上編」に続けて、「昼のパワーナップ編」「夜の締めくくり編」の計4つのスタックをご紹介していきます。