11月1冊目の本、『文章を整える技術 書いたあとのひと手間でぜんぜん違う』を読了したのでご紹介。
どんな本
- 年1000本ペースでメールマガジン執筆・校正を行った実績を持つ、ライターで編集者の下良果林さんが書いた本
- 株式会社ディーエイチシーやローソンにて通販サイトの編集・運営、メールマガジンなどを担当。メルマガ1本あたり最大7000万円以上の売上を記録したこともあるのだそう
- 文章作成は誰でも行うものの、書き終えたあとに読み返し、修正する作業である「推敲(すいこう)」に馴染みのない人が多いのではと書かれた1冊
- 文章のプロほど「書いたあと」を大切にしており、文章のプロではない我々一般の人ならなおさら必要であると提唱
- 6章から成り立っており、第1章・第2章では推敲の重要性を、第3章・第4章では具体的な推敲テクニックを、第5章では推敲の手間を軽減するためのそもそもの文章作成時のコツを、第6章では推敲時に困ったときのポイントをや裏技を解説している
読むきっかけ
- ビジネス文書でも、ブログなどのプライベートのものでも、書けるかどうかより伝わったかどうかがより重要だと考えている
- いわゆる、「分かりやすくて」「簡潔な」文章を作成すること
- ただ、文章を書いたあとで一度は読み返して多少は手直しはするものの、自己流で行っているので効果的・効率的かどうか自信を持てていなかった
- そこで、自己流の推敲術をセルフチェックしてブラッシュアップするつもりで読み始めた
- 推敲について分かりやすく書かれた類書はあまりなく、おまけにKindleなら700円台で買える価格設定だったのもこの本を購入したきっかけ
読んだ感想
- 「推敲の本」というだけあって、分かりやすく簡潔に書かれていたので、理解しながらもすいすいと読み進めることができた
- 「接続詞がなくても、意味が通じるなら外す」は盲点だった
- 読点(、)は経験とカンでつけていたが、ちゃんとルールがあるのだなと今更ながら思った
- 「構成」を最初に決めることで不要な情報に脱線するのを防ぐのは、ブログの経験が役に立っていることに気づいた
- プロほど推敲を重視していて、推敲する時間をしっかり確保するために最初の原稿をスピーディーに書き上げるというのは見習いたいと思った
読んで、自分でもやってみようと思ったこと
- 推敲時間を設定してから、文章作成時間を決める
- 文章作成時間と推敲時間のあいだを空ける
- 「二次稿=(一次稿)-10%」を目安にする
- 接続詞無しで書いてみて、意味が通らない場合のみ接続詞を足す
- 1回目の推敲では「黙読」により「大まか」に確認し、2回目は「音読」により「細かく」確認する
- 読点は、カンではなく、ルールにもとづき挿入する
- 難読漢字は避けて、漢字:ふりがな=3:7とする
- 「表記ゆれ」を統一する
- 見出し設定により文章構成を決めてから、各パートの文章作成に入る
- 他者にチェックしてもらった場合は、何はともあれ書き直しを必ず行う
- 読んでみていいなと思った文章は、何が良かったのか分析して言語化したうえで真似てみる
こんな人に読んで欲しい
- 一発で通る文章を書きたい人
- より多く読まれて・より伝わる文章を書きたい人
- 推敲しているつもりだが、いつも時間がかかっていたり、やったほど効果が出ていないと感じている人
- 冗長だったり、リズム感のない文章となってしまうことが気になっている人
まとめ
文章は、誰でも書くことができる。
でも、読まれる文章と読まれない文章があり、伝わる文章と伝わらない文章がある。
その違いは、書いたあとに「推敲」の手間と時間をかけるかどうか。
時間があったら推敲するのではなく、推敲に必要な時間を確保するためにそこから逆算して文章作成にかける時間を設定する。
とは言え、実は多くの人が推敲で何をすればよいのか、よく分かっていない。
その手順とポイントを『文章を整える技術 書いたあとのひと手間でぜんぜん違う』は、分かりやすくて簡潔に推敲された文章で示してくれています。
「平明、簡潔を心がけるべし」にたどりつく方法を具体的に教えてくれる1冊です。