「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」という言葉があります。
これは認知的アプローチによるものですが、一方で、行動的アプローチによる
「習慣が変われば行動が変わる、行動が変われば心が変わる、心が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」
もまた、真ではないかと思うのです。
この【習慣化・仕組み化】の連載記事では、習慣化したいことについて、「やめる」「始める」「続ける」「やり直す」のフェーズごとのポイントをお伝えしていきます。
今回は、「ランニング習慣」の「始める」についてです。
続けることを前提にするなら、「方針」と「基準」をはじめに設定する
活動方針を立てて、日々の定量目標に落とし込んでいく
平日は朝晩必ず行う通勤をランニングのトリガーとする、「通勤ランニング」を実施しています。
春~秋は自転車通勤を有酸素運動のメインとしていましたが、気温が低く雪が積もる冬場は通勤ランニングを活動のメインに。
先月10月は通勤ランニングを開始したことで、月間走行距離100kmの目標を達成することができました。
11月も通勤ランニングで日々着実に実績を積み上げることができています。
順調に続けられている要因としては、「距離よりスピードより出走頻度」を活動方針(コンセプト)として、走る距離やスピードの目標については引き上げなかったことで、精神的にも肉体的にもラクに走れたことが挙げられます。
実際、1回あたりに走る距離は自宅と最寄り駅の間2.5km(朝晩の往復で5km)だけで、スピードも息が切れない程度に収めています。
特定の日にどかんと距離を稼ぐのではなく、ほぼ毎日出走することで距離を積み上げていく。
仮に、月の営業日である20日間をすべて走ることができれば、それだけで100kmに到達できます。
実際には雨の日があって走れない場合もありますから、不足しないように休日のランニングをプラスして、目標に対して前倒し気味で積み上げていくのが理想の姿となります。
このように活動方針を決めることで、どのタイミングでどのように走れば良いのかイメージできるようになり、現実的だけど容易すぎない定量目標も立てることができるようになります。
ランニングが続かない場合の要因はいくつかありますが、その原因のひとつが「方針」が無いことによるもの。
何をどれくらいやればいいのか分からないものを拒絶したくなるのは自然なこと。
反対に、活動イメージやレベル感の見通しが立っていれば、行動に移すのはぐっとラクになります。
出走基準を定めて「走る日」「走らなくても良い日」を客観的に判断できるようにする
平日の通勤ランニングでは、雪をかぶって濡れたままの姿で仕事場に入ることを回避するために、原則として雪が降っている時は走らないことにしています。
ですが、休日ランニングでは濡れたとしても帰宅してすぐに着替えることができるので、少しくらいの雪なら走ることに。
完全に降っていない日にランニングを限定してしまうと、荒れた天気が続く日はまったく走れないことになってしまいますから、多少基準を緩めておく必要があります。
とは言え、雪の降るなかを走るのはそんなに気持ちのよいものではないので、降るにしても程度というものを考えなければなりません。
どこまでを許容範囲とするか決めておけば、毎回走るか走らないか迷うことによる気持ちの消耗を避けることにもつながります。
そこで、以下の2つを基準とすることにしています。
- 乾いた雪なら走る、湿った雪なら走らない
- 小粒の雪なら走る、大粒の雪なら走らない
1は天気予報を見れば「乾雪」「湿雪」と出ているので、これを基準にします。 2は主観的な判断になりますが、いわゆる「ぼたぼた雪」ならアウト、ふわりと舞っているような雪ならセーフといったところでしょうか。
基準さえできてしまえば、あとはそれに照らし合わせて「走る/走らない」を選択するだけ。
やる気の有無を判断基準に挟まずに、客観的基準だけを判断材料とするのが、習慣化のポイントです。
まとめ
「方針」と「基準」を決めるというと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、ルールが無いことは案外実行に移せないもの。
ある程度ルールがあるほうが思考をシンプルにできる分、余計な労力を使わずに済むからです。
ルールと言っても多くをつくる必要はありません。
どういうタイミングで・どのように・どれくらい走るのかを定めた「方針」。
それから、実際その時にどういう条件で走る/走らないを判断する「基準」。
この2つだけあれば、始めたばかりのランニング習慣であっても順調に軌道に乗せることができるようになるでしょう。