「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」という言葉があります。
これは認知的アプローチによるものですが、一方で、行動的アプローチによる
「習慣が変われば行動が変わる、行動が変われば心が変わる、心が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」
もまた、真ではないかと思うのです。
この【習慣化・仕組み化】の連載記事では、習慣化したいことについて、「やめる」「始める」「続ける」「やり直す」のフェーズごとのポイントをお伝えしていきます。
今回は、「ランニング習慣」の「始める」についてです。
走ること自体を目的とせず、既存の習慣をトリガーとする[ランニング習慣×始める]
「何かのついで」にランニングできないか考える
昨年2017年は年間の出走日数が82日でしたが、今年2018年は10月半ばの時点で150日を超えており、およそ2倍も走ることができています。
現在は休日・平日問わずコンスタントに走れるようになりましたが、出走日数を大きく引き上げたのは冬場のこと。
雪が積もると自転車通勤をすることができなくなるので、減ってしまう有酸素運動の機会を増やすためにランニングに取り組むことに。
ただし、いきなり「明日から毎朝走ろう!」と思ったところで、そう長続きしないのは目に見えています。
運動習慣、特にランニングは「意志の力だけでは続かない」のです。
そこで、冬場の平日は、自宅から2.5kmほど離れた最寄り駅まで「通勤を兼ねて」毎日ランニングすることにしようと考えました。
通勤はすでに身についている習慣です。
通勤とセットにすることで「走るか/走らないか」を毎回考える必要がないので、運動習慣のハードルを低く抑えることができます。
毎日の既存の習慣をトリガーとする「通勤ランニング」の狙いは的中し、大きく出走頻度を上げることに成功したのです。
4月以降は自転車通勤を再開したので通勤ランニング自体はそこで終了しましたが、この間にランニングそのものは習慣として定着したので、それ以降も継続することができるようになっていました。
わたしの場合は、「既存の習慣=通勤」と「新しい習慣=ランニング」をセットにすることで、この新しい運動習慣を身につけることができましたが、組み合わせは通勤だけに限りません。
現在のあなたの生活習慣を振り返って、ランニングと組み合わせることのできる「既存の習慣=◯◯」を見つけることから始めてみましょう。
ランニングより心理的ハードルと身体的負荷の低い運動からスタートする
既存の習慣と組み合わせてみても、「やる気」が出ないことはどうしてもあります。
先程は意志の力には頼らない仕組みとして「既存の習慣をトリガーにする方法」を紹介しましたが、身体を動かす必要がある以上、最低限のやる気は必要です。
ところが、困ったことに、「脳のやる気を司る領域」は何かをしないと働かないのです。
やる気が無いと走り出せないのに、何かをしないとやる気は出ない。
この矛盾を解決するのが、ランニングより心理的ハードルと身体的負荷の低い運動からスタートするという方法。
例えば、軽めの運動としてバーベルトレーニングを20回×2セットだけ行う。
時間にすれば、ほんの数分の運動ですが、これだけでも「走ってもいいかな」と気持ちは変わってきます。
軽い運動で身体が暖まってきたことと、身体を動かすことで脳の「やる気」を司る領域が働いたことによるものと考えられます。
負荷が低めの無酸素運動がスターターとなって、有酸素運動のエンジンを点火した状態となったのです。
まとめ
ランニングは、「身につけたい習慣」の上位でありながら、「挫折しやすい習慣」の上位でもあります。
その原因は様々あるでしょうが、確実に言えるのは「頑張って」やろうとしたこと。
努力は美徳ではあっても、習慣化にはなかなか結びつきません。
まずは、既存の習慣をトリガーにして頻度高く行えるようにする。
日々の実践では、心理的ハードルと身体的負荷の低い軽めの運動からスタートする。
この2つのポイントを押さえるだけで、ランニング習慣の立ち上がりはスムーズに行くでしょう。