「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」という言葉があります。
これは認知的アプローチによるものですが、一方で、行動的アプローチによる
「習慣が変われば行動が変わる、行動が変われば心が変わる、心が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」
もまた、真ではないかと思うのです。
この連載記事では、習慣化したいことについて、「やめる」「始める」「続ける」「やり直す」のフェーズごとのポイントをお伝えしていきます。
今回は、「ランニング習慣」の「続ける」についてです。
雨の日は素直に運動を休む。自分でコントロールできることにのみ注力する[ランニング習慣×続ける]
「続ける」ためには「休む」ことも受け入れる
9月に入った途端に、秋雨模様が続いています。
この雨を境に全国的に、ぐっと冷え込む秋らしい気候になるのだとか。
雨の日は安全優先のため、ランニングによる駅までの通勤は中止。
代わりに、通勤バスの時間を読書にあてます。
こんなときは、仕事に役立つビジネス書ではなく小説を選択。
ビジネス書はコンテンツで選びますが、小説は文脈や文体そのものを楽しむために読みます。
小説を読むことで脳の違うところが使われるので、ビジネス書を読んだ時のあらたな気づきにもつながります。
雨の日は運動を休んで、読書を楽しむ。
「晴耕雨読」も習慣化の考え方のひとつです。
休むことを受け入れると、次に再開することの心理的ハードルがぐっと下がります。
自分でコントロール出来ないことには振り回されない
ランニングなら走る距離やペースは自分で決めることはできますが、天候はコントロールすることができません。
梅雨時期や秋雨前線が活発な時など、数日の中断が余儀なくされることはありますが、これを原因とした運動習慣の中断を気にしても仕方がないのです。
それよりは、自分でコントロールできること、例えば屋内でできるストレッチや軽い筋トレを欠かさず行って、天候が回復した時にベストなコンディションで走れるようにすることに意識を向けたほうが、長い目で見た時には続けられていることになります。
仕事が立て込んで運動時間が取れなかったり、家族の急病で予定を変えざるを得なかったりした場合も同様です。
ビジネスフレームワークに「コントロール可能/不可能」というものがあり、自分で解決できる問題と解決できない問題を分けて考えるものがあります。
状況にもよりますけれども、自分の意思や行動など内部環境によることはコントロールすることができますが、自然現象や他者に原因があるものなど外部環境による問題はコントロールすることができません。
外部環境によるものはリスクヘッジだけ考えておき、内部環境によるものをコントロールすることに注力しましょう。
100できなくても、60できたらOKとする
習慣を定着させること、効果を出すことのためには、「毎日やる」ことが原則です。
週に何回とかたまにやるよりも、毎日やると頻度を高めたほうがずっとラクに行えることは、これまでの経験で学習済みです。
ただし、「毎日やる」を「100やらないと意味がない」と捉えてしまうと、継続がぐっと難しくなります。
実際、習慣が続かない理由の多くが、「100ゼロ思考」でできない日があると「もう続ける意味がない」とモチベーションが下がってしまうパターンです。
しかし、やれない日が数日あったところでゼロにはなりません。
100ではないかもしれませんが、60とか70とかちゃんと積み上がっていくのです。
大相撲だって、優勝には全勝が必要かもしれませんが、8勝7敗の勝ち越しで十分に翌場所以降につながるのです。
習慣の継続には、この「勝ち越し思考」が欠かせません。
3日坊主でも、休んだらまた再開すればいいのです。
「毎日やる」が原則の習慣化に、「100じゃなくていい」「勝ち越しで十分」をルールに加えましょう。
まとめ
「続ける」ためには、「休むこともある」を前提として受け入れる。
自分でコントロールできることとできないことを論理的に分けて考えて、自分でコントロールできることにのみ注力する。
「100」を達成する目標と計画を掲げつつも、結果的に「60」もできたら良しとする。
運動自体が目的であるアスリートは別かもしれませんが、健康やボディメイクを目的とした普通の人にとっては運動習慣は長期戦です。
短期で結果を求めずに、中長期で成果が出てくる仕組みを取り入れていきましょう。