6月3冊目の本、『「ラクして速い」が一番すごい』を読了したのでご紹介。
どんな本
- 人事・戦略コンサルタントで、HRストラテジー社代表の松本利明さんが書いた本
- 5万人以上のリストラをおこない、6000人を超える次世代リーダーや幹部の選抜・育成に携わってきた経験がもとになっている
- 「まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない」ことを前提に、ラクに速く仕事をするほうが、結果が出て、さらに人生の選択肢も増えることを提唱
- 〝ラクをする〞とは「手抜きをする」「適当にする」ということではなく、力の「入れ所」と「抜き所」を押さえ、ムダな仕事を減らすことと定義
- 「1.一発で決める」「2.スパッと割り切る」「3.抱え込まない」「4.組織の「壁」を利用する」「5.自分で「できる」ようになる」の5章で構成
読むきっかけ
- 「はじめに」の中の一文『今のご時世、真面目にコツコツ一生懸命やる人は「いい人」とほめられても、評価されません。課長にもなれません。途中で体調を崩すか、万年平社員です。』がグサッと刺さった
- 「真面目にコツコツ」を逃げ口上にしているのを、真っ直ぐに指摘されたように感じた
- 一方で、作業効率を上げることを目的にした仕事術では限界があり、成果を出せるところに集中するためには「捨てるべきところ」を見出す必要があるとも考えていた
- 「◯◯ならあいつに任せるのが一番」と言われるようになりたいと思い、読み始めることにした
読んだ感想
- 書類作成が速くなるとか、ショートカットを駆使するとかそういう小手先技術の本ではない
- 勝てる得意なところ、成長が見込めるところにこそ自分の力を注ぐパーソナルブランディングの本であり、キャリアアップの道筋を見つけるための1冊だと思った
- 56の観点と方法が紹介されており、すきま時間にサクッと読み進めることができる
- 一部クロスしている内容もあるが、タイトルで気になったところから順不同に読んでも理解できる
- 業種や企業規模、組織体制によってそのまま取り込むことが難しいものもあるが、まずは納得がいったもの・手を付けられそうなものからやってみればいいと感じた
- 「2章 スパッと割り切る」から集中的にやってみることにした
読んで、自分でもやってみようと思ったこと
フィールド選択と投下時間の集中
- やりたい仕事より、「ありがとう」の声を寄せられる仕事を「自分が求められる仕事」と捉えて、より多くの「ありがとう」が自分に寄せられるように注力する
- 「求められる(向いている)仕事」と「成果が出る仕事」を重ね合わせて、その分野を自分の得意分野とする
- そのうえで、「向いているが、成果が出ていない」仕事に、10%の時間を投資する
- 長期のキャリアプランを描く前に、日常の良い習慣を定着させる
- 周りの人がそれぞれ何が得意なのかを知って任せられるようにすることで、自分を含めたチーム全体で仕事を適切な配分ができるようにする
手戻りや停滞がなく、周りを巻き込むコミュニケーション
- 依頼主の不安を取り去り承認欲求を満足させるために、確認のための短いミーティングを回数多く行う
- 「60点のドラフト」で、あえて相手に突っ込ませることで不明点を無くす
- 「相手がいる仕事」から着手することで、仕事の流れを止めない
- 形容詞やあいまいな動詞は、「名詞・数字」に置き換える
- 実行部門への根回しを怠らない、CCではなく直接伝える
- 誰に対しても、事実をベースに短文で「ありがとう」を伝える
まとめ
「あいつは真面目だから仕事を任せやすい」。
ずっとこれを良い評価だと思っていました。
でも、言い方を変えれば「仕事を振りやすい」「細かい作業を丸投げしやすい」と思われていただけかもしれません。
本当に評価されている人を見ると、実際には不得意な分野も持っている。
だけど、抜きん出た得意分野で成果を出し続けて、「〇〇はやっぱりXXさん」という印象を周りに強く与えています。
「◯◯ならあいつに任せるのが一番」。
これが、これから獲得を目指すべき評価になります。