昔の人気刑事ドラマで、「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」という主役の男性刑事のセリフがありました。
一方で、女性高級官僚が「いいえ、事件は会議室で起きるのよ」と答える場面もありました。
ドラマですからフィクションなのですが、同様のことは普通の会社でもしばしば起きています。
では、どちらが正しいのでしょうか。
事件は現場で起きているが、会議で認識されなければ事件は存在しないことになる
「事実」が起点となりますから、「事件は現場で起きている」は正となります。
一方で、会社組織では、会議で認識された事実のみが取り上げられます。
そういう意味では、「事件は会議室で起きている」も正となります。
ただし、両方が一致しないと組織は間違った方へ動いていってしまうので、問題はこの両輪をいかにしてつなげるかにかかっています。
上層部は現場に近いところまで下りていく責任があり、現場リーダーは会議で認識されるよう伝える義務がある
よくあるのが上層部が会議室だけで議論していて、現場は現場でグチだけを言っているケース。
これでは、両輪がバラバラに動いてしまいますから、うまく機能しません。
トップダウンで判断を下すのは上層部ですから、妥当な判断を下すには、正確な事実を自分から取りに行く必要があります。
現場リーダーも「上は分かっていない」などとグチを言う暇があったら、上層部の会議で認識されることを目的とした情報伝達を行う必要があります。
両方がその責任と役割において相互に働きかけた時に初めて、トップダウンとボトムアップがうまく噛み合うことになります。
まとめ
冒頭のセリフを紹介したドラマは随分前のものですが、そこで交わされた問題は現在でもそこらじゅうで起きている現在進行系のものです。
自分が正しく、相手が分かっていないとしてしまうと、そこで思考停止してしまいます。
仕組みとしてとらえて、誰がどういう役割を持ち、どのような責任と義務で業務を遂行すればよいのか考えることが解決につながります。
問題解決に向けた動きが滞っていると思ったら、まずは全体フローを描くところから始めてみるといいでしょう。