『スピードと成果が劇的に上がる戦略 最強の優先順位』を読了したのでご紹介。
著者は、商品開発コンサルタントの美崎栄一郎さん。
ビジネス書作家でもあり、ノート術や働き方の本などいくつものベストセラーを生み出しています。
どんな本?
一般的に、仕事の優先度は「緊急度」と「重要度」のマトリックスで判断し、優先度が高いものから行って、優先度が低いものはやらない決断をするのが良いとされています。
しかし、現実の仕事では緊急度や重要度がたとえ低くても結果的にはやらなければならない仕事が多数あり、また、マトリックスで分けているそばからどんどん割り込み仕事が入ってきます。
「緊急度×重要度」のマトリックスが機能せず、生産性向上どころか残業に追われる日々。
では、「すべての仕事をやらなければいけない」という前提のもと、限られた時間の中でそれらをどう割り振るのか?
本書では、著者が実際に行っている考え方や具体的なノウハウが紹介されています。
「今ここでやるべき仕事」は何かを選択する
- 今いる場所
- まわりの環境
- 時間帯
- 体調
まず考えるべきは、時間の価値を最大化すること。そのためには、「今ここでやるべきことは何か」を決めて、いくつもある仕事の中から選択します。
外回りの多い営業員であれば、「今いる場所」「まわりの環境」が大きく影響するので、これを念頭に商談数を確保し受注率を上げるにはどの仕事を今やるかを決めます。
反対に、わたしのような内勤メインであれば、今いる場所は固定なので、「まわりの環境」=デスク周りなどの物理的環境と仕事相手とのやり取りなど心理的環境を最適化させたうえで、「時間帯」と「体調」で最も効率の上がる仕事をその時間にやることになります。
職種や役職によって、ウェイトは変わりますが、上記4つの要素で「その時間でやるべき仕事」の選択を最適化させつつ「1時間あたりの生産性」を最大化する、「マイ時間割」をつくることが”最強の優先順位”となるのです。
判断をルール化することで、その都度迷わない
私は、 同じ日時に複数の予定が入りそうになったときは、先約を優先すると決めています。こうするだけでよけいな手間や時間がとられなくなりますし、迷いやストレスといった心理的負担もなくすことができます。
仕事時間が長くなる要因は、判断の数によります。
毎日の仕事は、プロジェクトの方針を決めるような大きなものから、日報に何を書こうか決めるような小さなものまで、判断することの連続です。
決断に時間を要するようなものは仕方がありませんが、ボールペンで書こうかシャープペンシルで書こうかといったような小さな判断をいくつも抱えていると、それだけで膨大な時間になります。
昨日使った書類を探す、のような捜し物も判断のひとつとすると、整理方法などルール化しておくことで無用な時間を失うことを防げるようになります。
「マイ時間割」とあわせて、これが・こうなったら・こうするのような「マイルール」を定めていきましょう。
と言っても構える必要はなく、その日の仕事を振り返って、うまくいったことからは続けることを、うまくいかなかったことからは改善案を出していくと、マイルールが自然と構築されていきます。
2大リソース「時間」と「お金」で迷ったら、お金を使ってでも時間を優先する
時間とお金のどちらかを選択しなければならない場合は、必ず時間を優先すると決めています。なぜなら、お金は失ってもあとから取り返すことができますが、失った時間は二度と取り戻すことができないからです。
重要な判断に影響するのが、経営リソースの2大要素である「時間」と「お金」です。
時間もお金も少なくて済むならそれに越したことはありませんが、大きな成果を求めるものこそどちらかを選択することを迫られます。
組織の判断だけではなく、個人の生活でも一緒です。
若いうちは時間もたくさんありますからお金をかけない選択ができますが、歳を重ねていくと時間の有限性をひしひしと感じるようになります。
むしろ、若いうちから時間を優先してお金を投資する判断を重ねたほうが、歳を重ねたあともフレキシブルにお金を使う判断を下せるようになる印象があります。
家賃は安いけど遠方に住むより、通勤に時間の掛からない会社近くに住むほうを選ぶなど、普段でもやれることはあります。
また、一緒に仕事をする相手を選べるならば、時間に対する価値観の近い人を選んだほうが、よりスピーディーに仕事を進められるようになります。
反対に、自分とスピード感やレスポンスのリードタイムが合わない相手だと、どんなに自分がスピーディーにやろうとも、相手に引きずられる結果となってしまいます。
まとめ
紹介したポイントのほか、「分割と集合で効率を上げる方法」「ボトルネックの察知で詰まりを解消する方法」などが紹介されています。
わたしも、期間の長さや重みの異なるいくつもの仕事を抱えつつも、「分割と集合」「マイルール」「ボトルネックの早期発見と対処」にもとづき、タスクスケジュールを半年・3ヶ月・1ヶ月・1週間・今日のそれぞれで最適させることで、ほぼ残業のない勤務状況をつくりあげています。
残業なしの仕事時間の一方で成果を上げることで、意識改革・行動改革の模範として会社から表彰をいただきました。
また、「マイ時間割」を持つことは主体的な仕事の進め方になるので、ストレスをためずに日々の仕事をすることにもつながります。
『スピードと成果が劇的に上がる戦略 最強の優先順位』であなたの「マイ時間割」と「マイルール」をつくり、労働時間を圧縮しながらストレスを減らし、そして成果の出る仕事スタイルを手に入れていきましょう。